刺し子のコツ 10.  布を つかいこなれたように、柔らかくする。

古い布には 価値がある,と、 思っています。

糸は手紡ぎ、手織りして、草木染めで、継承されてきた技術と、職人のプライドと、たくさんの手間時間、が、つまっている。

使いこなれた布は、触ると、ふわっとしていて、あたかかみがある。
自然素材の エネルギーが あるね、感じる。
擦り切れて、色褪せて、小ギレになっていても、存在感ある、、、、捨てれないよ、
どうにかして、再生させい。

 捨ててしまうにはあまりにも、もったいない。

他方、新しい布。   糸は機械で製糸、染めは化学染料、織りはもちろん、機械織りで、 なにもかも、きっちり,きっちり、・・・。色褪せには、情緒がない
純絹か 純綿だったら
裂き織り用にとっておくけど、
ポリエステルが 混じっていたら、即、捨てることにしている。 ぱっと見て、、いい布でも、
手間をかけて、再生することはしない。手間をかける、価値がない。

どうせ、刺し子するなら、せっかくのお手間なわけだから、感じる布を使って、使う糸は 草木染か、生成りの糸で。 ・・・・・。この辺りは こだわる。

布の価値を見定めて、刺し子する。  見違えるようになる。また 50年くらいは いきいきとしていてくれそう。

刺し子する布は、 使いこなれて、何度も 水をくぐった 柔らかい布を、使う。
木綿は 水をくぐらせれば、くぐらせるほど、丈夫に、しっかりした布になる。
あまり、洗っていない、使っていない布は 刺し子しても 風合いが良くない。固い。
繊維同士が しっくりしてない。  刺しても、糸となじまない。
作業能率も悪い。

そこで、もし、どうしても、固い布を刺し子したいときは (ホントは 時間をかかって、使い込んだ布を 刺し子するのがいいんだけど。)   工夫して、布を 柔らかくする。

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布を柔らかくする方法。

1  洗う。洗剤は 極力、使わない、使うときは いわゆる、せっけん。

店主の使うのは シャンプーか、住居用洗剤、食器用洗剤。蛍光剤が入っていない。
干しては洗い、干しては 洗う。 お湯のほうが効果的。
柔軟剤も使います。

 

  2  濡らして、長靴で、踏む。  もしくは 大きなタオルに包んで、ビール瓶などで、たたく。
繊維をこなれさせる。

  3   ちょっと、乱暴だけど、苛性ソーダを溶かした液、または、水につけたまま、放置   する。 布を痛めるので、あまり、弱そうな布は 、避けてください。ピリピリに裂けてしまいます。

苛性ソーダは 強アルカリ性なので、取り扱いには 注意が必要。鍋の底を洗ったり、パイプ掃除にも使います。  薬屋さんに ハンコを持って、 買ってきます。
店主は 古い帯芯を染めるのが気に入っているので、こういう時、苛性ソーダを つかいます。


刺し子のコツは、 もうひとつ、あった、ので、11まで、あります。
まとめもあるので、 もうすこし、おつきあいください。