店主の宝物2   布切れ。 泥染めは 弱い、の、証明。

2014-03-06 10.31.50この布切れ、格子に 織ってあって、スケスケ。
よく見ると、茶色の糸くずが、まつわりついている。
もともとは すけてなくて、茶色の部分が ムレテ、なくなってしまったんだね。
これ、多分、湿気の多い環境で、茶色の泥染めの糸が、
崩れ落ちてしまって、藍染めの糸が のこってしまったんだね。
こういうふうに、きれいに 藍が残っている、キレッて、スゴク、珍しい。

染色の特徴を説明するのに、・・・・・店主の宝物。

泥染めは 鉄などの金属のバイセン、なので、繊維を弱める染色。
他方、藍は 繊維を 強くする染色。     労働者の味方。

大島紬は 泥染めの代表格で、湿気っぽいところに きちっと、しまいこんでおくと、
ムレて、弱くなってしまう。  生地屋をやっていると、そういう大島紬によく、
出会う。

せっかく、いい大島紬が 手に入った、と、よろこんでいても、
弱っていて、スルスルと、 裂けてしまっては、ガッカリ。

しかたないから、裂き織りに使う、のだが、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それすらもできないほど、弱くなっていることもある。

ああ、もったいない! しまってばかりいないで、時には 空気にあてて、あげてください。
引き出しの中に 備長炭を ガーゼなどにくるんで、入れておくといいですよ。
引き出しは キチッと、閉めないで、だらしないけど、少し開けておきます。

もう少し、天気が良くなったら、 虫干し してください。
でもね、  着て歩くこと・・・・・・着物にとって  一番、いいことだと、思います。