藍は、誤解されてることが多く、色が落ちる、、、とおもわれてますが、他の染料とは異なり、落ちるというより、雑味をそぎ落として、研ぎすまされる、と思ってます。
水が通るたびに、色が透き通ってくる。
縦糸と、横糸が、しっくりしてきて、いい肌触りになってくる。
藍染めの服を洗わないなんて、もったいない。洗剤は、優しい石鹸、私はシャンプーで洗ってます。洗濯機のときは、手洗いコースで、
脱水は、ほんのちょっと、そのあとダラダラ干しします。たたいて、シワ伸ばしします。
私は、たたんで、重しをし、少しおいてから、ハンガーで干します。
直射日光は避けます。
藍染めには、他のものを染める力は、もうありません。
手に藍の色がついたり、下に着ていた、下着に、藍の色がついても、洗えば取れます
藍は移染しない
白いものと一緒に洗っても、
白が青くなったりしません。
もし、そんなことになったら、
藍染めの白く染め抜いたところは 染まっているはず。
ゆきんこ絣は 青い雪になってしまってるはず。
洗濯機も、クレンザーでこすれば、
きれいに落ちます。
藍は別格、特別な染色で、その特徴を書いてみたいと思います。
チマチマ、書きますので、しばらく、お付き合いください。
ただし、新しい藍は、試し洗いしたほうが
いいかもしれない。
ごくまれに、
化学染料で染めてから、その上に、藍染めしていることがあります。
その時は、移染します。
2つ、あります。
藍は、タデ科の植物の葉っぱに含まれているので、それを凝縮する作業。
積み上げて、水を撒いて発酵させ、腐らせて、不要な部分を減らして、藍の成分をかたまりにあつめる。
途中、よくかき混ぜて、最後に乾燥させて、できた塊を すくも といいます。
表現の言葉が、少し、間違ってるかもしれませんが、ごく簡単に言おうとすると、こんなかんじ。
すくもは、黒くてゴロゴロしていて、あまり臭くない。
発酵してる時は、熱が出て、すごく臭い。
主な産地の四国は、暑いところなので、80度にもなる、
過酷な労働です。
これを水に溶かし、発酵させて、染色します。
保存でき、輸送に適しているので、日本中に広まりました。
もうひとつは、泥藍 といって、大きな水槽にドンドン放り込んで、腐らせます。
暖かい気候に向いています。効率が良くなく、輸送に向いていないので、ごく一部の地域で、
行われてます。
藍って、こんな風に作られるので、いろんな色がまぜこぜ、産地や、季節や、生産者や草の種類や、
色味が違ってくる。
私の情報は、古いので、違っているかもしれませんが、
藍の生産は、四国で、三軒、
北海道の伊達で一軒、すごく少ないです。
日本中に、溢れていた藍染めは、
科学染料の出現で、すっかり、減ってしまい、いまでは、特別な染めになってしまいました。
効率悪いですもんね。
でもね、藍の特質を知って欲しい、
藍は、特別なので。
長々、書こうと思ってますので、どうぞ、読んでください。
藍の成分が、葉っぱの中にある色素だと、前回、お話しました。
なので、藍染めは 雑多な色目の
集合で、全体で、藍色に見えますが、
様々な色が、含まれています。
一方、科学染料は、単一の色素が、行儀良く、並んでいます。
青い色が、似合わない人にも、
藍染めは、似合う。
日本人なら、誰にでも似合う、と言われています。
ということは、藍染めの布を使うと、どんな色をもってきても、合うということです。
作品を作るには、とても、便利な染めです。
藍染めの包容力には、いつも、助けられます。
藍の色は、いろんな色の集合体だ、と話しました。
その発色のバリエーションは、天文学的だと、思います。
店の中で、同じ藍の色を探そうとしても 見つかりません。
一枚の布の中にも、微妙なグラデがあって、使っているうちに洗って
もっと、
変化して、表情豊かになって、
なっていきます。
まったく、飽きることがありません。
藍の色のなかで、代表的な色を
ご紹介します。
藍染めしてるうちに、藍の力が
衰えてきて、染まらなくなってきますが、時々、盛り返したりします。
まだ染まるかな、まだ染まるかな、
と、何度も、甕の中を覗く、ことから、この名がつきました。
藍染めは、染める回数が多いほど、
濃く染まりますが、
甕覗は、薄い。ですが、回数が、少ないと、褪色がはやいので、
甕覗の色をは 褪色しないように染めるためには、何度も甕の中に入れます。
元気な、藍の中に入れると、すぐ、
濃くなってしまうので、甕覗を染めるためには、元気のなくなった藍で染めなくてはなりません。
それで、何度も甕の中をのぞくわけです。
何度も、いれたり、出したりして、酸化させて、染めます。
本藍の糸を切って、中をよく見ると、中まで染まっていません。
古い藍染めは、30回も染めてることがあるので、中まで、染まってますが、表の方は濃く、芯の方にだんだん、薄くなってるので、本物だとわかります。
一度、染まると、同じ理由で、褪色しづらい、堅牢です。
色落ちのしかたは、マイルドで、薄くなっても、長く、藍の色を楽しめます。
一方、化学染料は、染まりやすく、
褪色しやすいです。
褪色した色は、ボケた感じで、情けない色になります。
写真の糸は、古い久留米の藍染めです。芯は、染まってません。
らんる、と読みます。
ボロの事です。
ボロは、もう、世界語boroですね。
インスタグラムを見てますか?
インスタグラムは、世界につながっているので、#boro を検索すると、
外国の人が、らんるのことをどう思っているのか、わかります。
アメリカの博物館に収蔵されたり、人気のブランドで使われて、お高いジャケットなんかに、なっています。
京都や東京などの、骨董市では、
外国の人が、ボロを買いに
たくさん来てるそうです。
ボロの魅力って、なんだろう?
色々あると思いますが、手紡ぎ手織りの藍染め、だからだ、と思います。
藍染めは、丈夫で、汚れ落ちがイイので、シミが少ない、洗濯に耐える、使いこなれた味がある。
褪色がランダムで、ゆっくり、色目が複雑で、深い。
ざっくり開いた、穴もかわいいし、すれた木綿の糸も なにやら、優しげで、愛おしい。
本物は、古くなるほどに、風合い、色、ともに良くなる。
店に、何枚かあるので、見てください。
襤褸や筒描などの、古布で、お洋服を制作している東京の作家さんです。
以前は札幌にもいらしてたので、ご存知の方もいらっしゃるとおもいます。まだまだ、元気に、制作活動してらして、襤褸を愛してやまない方です。ぜひ、インスタグラムを
フォローして、見てください。
襤褸の作品がたくさん見れます。
店に、彼女の著書
『襤褸に生きる』がありますので、
どうぞ、見てください。
追記 写真のコートの赤いボタンは、浪漫屋店主の作です。
カシュウ塗料で塗っています。
使っていただいて、うれしいです。
この赤は、5種類混ぜて、4回、塗っています。
藍は染まりづらくて、色落ちしづらいのは、お話ししました。
他の染料とは、少し違う、繊維をカバーする染め方で、強くしてくれるようです。
わたしは 藍染めで ジャンバースカートを作って、よく着ているのですが、これが丈夫で、泥汚れしようが、シミをつけようが、洗濯したら、すぐ綺麗になって、アイロンも不要、まったく、便利な服で、重宝しています。
スカートを藍の絣で、ウエストから上の部分を、藍でない布で作って
着てましたが、上の部分が、すぐ、
ダメになったので、スカート部分は、そのままに、別の布を付けて、また、だめになって、結局、
4回目に、現代の藍を付けて、今も
まだ着ています。
穴があいたり、すれたら、その上にあてをして、刺し子すればいいので、まだ、当分着れますね。
藍染めの服は、お値段高い、というイメージがありますが、長くあきずに着れて、補修もできて、見た目もイイなら、リーズナブルだと思うのですが、どうでしょうか?
藍染めは 汚れ落ちがいい染めなので、洗剤は 入れなくても きれいになるし、ひどく汚れているときには、ほんのちょっと、入ればいいです。
洗剤は、蛍光剤の入っていない、
自然なものを使ってください。
白いペンキをペタペタ、塗って
白く見せようとしているようなもので、せっかくの藍染めの色が白っぽく見えて、しらっちゃけてしまいます。わたしは、シャンプーを使ってます。肌に優しい洗剤なので、繊維にも優しい、髪の毛は、タンパク質、シルクもタンパク質なので。
木綿も、油汚れがよく落ちて、匂いもとれるので、よく使います。
倉庫から出てきたようなホコリを吸った藍染めの布は、水で予洗いしてから、洗剤をいれて、洗います。
すすぎの水が濃いめの青、という時は 乾かしてから、また、水で洗う、を繰り返します。
お湯は使いません。
お湯で洗うと、大事な色が、余分に流れてしまうので。
わたしのお客様で、藍染めの木綿をたくさん持っている人がいて、一年に一回は、しまっていても お洗濯するそうです。
時間がたつと、雑味が出てくるので、洗うと、色目がスッキリします。
19:27 浪漫屋 藍染めの洋服は、クリーニングに出しません。大事にしているようですが、布にはあまり良くない、藍染めの木綿は、水洗いが、よく合います。
必ず、大きめのネットに入れて、洗濯機で、おしゃれ着コースで洗います。
たっぷりめの水で洗います。
手紡ぎ手織りの布は、ひっぱりとか、回転に弱い、脱水は、ほんのちょっと、2秒か3秒、
すぐ、止めて、干します。肩が伸びないように、ハンガーにはかけず、セーター干すように、干してください。
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古布と布の手仕事 浪漫屋