藍染めの話-1

藍染めの話① 藍は移染しない 藍は別格 

藍は、誤解されてることが多く、色が落ちる、、、とおもわれてますが、他の染料とは異なり、落ちるというより、雑味をそぎ落として、研ぎすまされる、と思ってます。

水が通るたびに、色が透き通ってくる。

縦糸と、横糸が、しっくりしてきて、いい肌触りになってくる。

藍染めの服を洗わないなんて、もったいない。洗剤は、優しい石鹸、私はシャンプーで洗ってます。洗濯機のときは、手洗いコースで、

脱水は、ほんのちょっと、そのあとダラダラ干しします。たたいて、シワ伸ばしします。

私は、たたんで、重しをし、少しおいてから、ハンガーで干します。

直射日光は避けます。

藍染めには、他のものを染める力は、もうありません。

手に藍の色がついたり、下に着ていた、下着に、藍の色がついても、洗えば取れます

藍は移染しない

白いものと一緒に洗っても、

白が青くなったりしません。

もし、そんなことになったら、

藍染めの白く染め抜いたところは 染まっているはず。

ゆきんこ絣は 青い雪になってしまってるはず。

 洗濯機も、クレンザーでこすれば、

きれいに落ちます。

藍は別格、特別な染色で、その特徴を書いてみたいと思います。

チマチマ、書きますので、しばらく、お付き合いください。

ただし、新しい藍は、試し洗いしたほうが

いいかもしれない。

ごくまれに、

化学染料で染めてから、その上に、藍染めしていることがあります。

その時は、移染します。

藍染めの話② 藍の作り方

2つ、あります。

藍は、タデ科の植物の葉っぱに含まれているので、それを凝縮する作業。

積み上げて、水を撒いて発酵させ、腐らせて、不要な部分を減らして、藍の成分をかたまりにあつめる。

途中、よくかき混ぜて、最後に乾燥させて、できた塊を すくも といいます。

表現の言葉が、少し、間違ってるかもしれませんが、ごく簡単に言おうとすると、こんなかんじ。

すくもは、黒くてゴロゴロしていて、あまり臭くない。

発酵してる時は、熱が出て、すごく臭い。

主な産地の四国は、暑いところなので、80度にもなる、

過酷な労働です。

これを水に溶かし、発酵させて、染色します。

保存でき、輸送に適しているので、日本中に広まりました。

もうひとつは、泥藍 といって、大きな水槽にドンドン放り込んで、腐らせます。

暖かい気候に向いています。効率が良くなく、輸送に向いていないので、ごく一部の地域で、

行われてます。

藍って、こんな風に作られるので、いろんな色がまぜこぜ、産地や、季節や、生産者や草の種類や、

色味が違ってくる。

私の情報は、古いので、違っているかもしれませんが、

藍の生産は、四国で、三軒、

北海道の伊達で一軒、すごく少ないです。

日本中に、溢れていた藍染めは、

科学染料の出現で、すっかり、減ってしまい、いまでは、特別な染めになってしまいました。

効率悪いですもんね。

でもね、藍の特質を知って欲しい、

藍は、特別なので。

長々、書こうと思ってますので、どうぞ、読んでください。

藍染めの話③ 藍は誰にでも似合う 藍の本質は 雑味だから

藍の成分が、葉っぱの中にある色素だと、前回、お話しました。

なので、藍染めは 雑多な色目の

集合で、全体で、藍色に見えますが、

様々な色が、含まれています。

一方、科学染料は、単一の色素が、行儀良く、並んでいます。

青い色が、似合わない人にも、

藍染めは、似合う。

日本人なら、誰にでも似合う、と言われています。

ということは、藍染めの布を使うと、どんな色をもってきても、合うということです。

作品を作るには、とても、便利な染めです。

藍染めの包容力には、いつも、助けられます。

藍染めの話④ 藍の色はかぎりなく、多様 バリエーションがある

藍の色は、いろんな色の集合体だ、と話しました。

その発色のバリエーションは、天文学的だと、思います。

店の中で、同じ藍の色を探そうとしても 見つかりません。

一枚の布の中にも、微妙なグラデがあって、使っているうちに洗って

もっと、

変化して、表情豊かになって、

なっていきます。

まったく、飽きることがありません。

藍の色のなかで、代表的な色を

ご紹介します。

藍染めの話⑤ 甕覗(かめのぞき) の話

藍染めしてるうちに、藍の力が

衰えてきて、染まらなくなってきますが、時々、盛り返したりします。

まだ染まるかな、まだ染まるかな、

と、何度も、甕の中を覗く、ことから、この名がつきました。

藍染めは、染める回数が多いほど、

濃く染まりますが、

甕覗は、薄い。ですが、回数が、少ないと、褪色がはやいので、

甕覗の色をは 褪色しないように染めるためには、何度も甕の中に入れます。

元気な、藍の中に入れると、すぐ、

濃くなってしまうので、甕覗を染めるためには、元気のなくなった藍で染めなくてはなりません。

それで、何度も甕の中をのぞくわけです。

藍染めの話⑥ 粒子が大きいので、染まりづらい

何度も、いれたり、出したりして、酸化させて、染めます。

本藍の糸を切って、中をよく見ると、中まで染まっていません。

古い藍染めは、30回も染めてることがあるので、中まで、染まってますが、表の方は濃く、芯の方にだんだん、薄くなってるので、本物だとわかります。

一度、染まると、同じ理由で、褪色しづらい、堅牢です。

色落ちのしかたは、マイルドで、薄くなっても、長く、藍の色を楽しめます。

一方、化学染料は、染まりやすく、

褪色しやすいです。

褪色した色は、ボケた感じで、情けない色になります。

写真の糸は、古い久留米の藍染めです。芯は、染まってません。

藍染めの話⑦ 襤褸の話

らんる、と読みます。

ボロの事です。

ボロは、もう、世界語boroですね。


インスタグラムを見てますか?

インスタグラムは、世界につながっているので、#boro を検索すると、

外国の人が、らんるのことをどう思っているのか、わかります。

アメリカの博物館に収蔵されたり、人気のブランドで使われて、お高いジャケットなんかに、なっています。

京都や東京などの、骨董市では、

外国の人が、ボロを買いに 

たくさん来てるそうです。

ボロの魅力って、なんだろう?

色々あると思いますが、手紡ぎ手織りの藍染め、だからだ、と思います。

藍染めは、丈夫で、汚れ落ちがイイので、シミが少ない、洗濯に耐える、使いこなれた味がある。

褪色がランダムで、ゆっくり、色目が複雑で、深い。

ざっくり開いた、穴もかわいいし、すれた木綿の糸も なにやら、優しげで、愛おしい。

本物は、古くなるほどに、風合い、色、ともに良くなる。

店に、何枚かあるので、見てください。

藍染めの話⑧ 杉浦和子さんのこと

襤褸や筒描などの、古布で、お洋服を制作している東京の作家さんです。

以前は札幌にもいらしてたので、ご存知の方もいらっしゃるとおもいます。まだまだ、元気に、制作活動してらして、襤褸を愛してやまない方です。ぜひ、インスタグラムを

フォローして、見てください。

襤褸の作品がたくさん見れます。

店に、彼女の著書

『襤褸に生きる』がありますので、

どうぞ、見てください。

追記 写真のコートの赤いボタンは、浪漫屋店主の作です。

カシュウ塗料で塗っています。

使っていただいて、うれしいです。

この赤は、5種類混ぜて、4回、塗っています。

藍染めの話⑨ 藍は強い、丈夫。その2

藍は染まりづらくて、色落ちしづらいのは、お話ししました。

他の染料とは、少し違う、繊維をカバーする染め方で、強くしてくれるようです。

わたしは 藍染めで ジャンバースカートを作って、よく着ているのですが、これが丈夫で、泥汚れしようが、シミをつけようが、洗濯したら、すぐ綺麗になって、アイロンも不要、まったく、便利な服で、重宝しています。

スカートを藍の絣で、ウエストから上の部分を、藍でない布で作って

着てましたが、上の部分が、すぐ、

ダメになったので、スカート部分は、そのままに、別の布を付けて、また、だめになって、結局、

4回目に、現代の藍を付けて、今も

まだ着ています。

穴があいたり、すれたら、その上にあてをして、刺し子すればいいので、まだ、当分着れますね。

藍染めの服は、お値段高い、というイメージがありますが、長くあきずに着れて、補修もできて、見た目もイイなら、リーズナブルだと思うのですが、どうでしょうか?

藍染めの話⑩ 藍を洗濯する

藍染めは 汚れ落ちがいい染めなので、洗剤は 入れなくても きれいになるし、ひどく汚れているときには、ほんのちょっと、入ればいいです。

洗剤は、蛍光剤の入っていない、

自然なものを使ってください。

白いペンキをペタペタ、塗って

白く見せようとしているようなもので、せっかくの藍染めの色が白っぽく見えて、しらっちゃけてしまいます。わたしは、シャンプーを使ってます。肌に優しい洗剤なので、繊維にも優しい、髪の毛は、タンパク質、シルクもタンパク質なので。

木綿も、油汚れがよく落ちて、匂いもとれるので、よく使います。

倉庫から出てきたようなホコリを吸った藍染めの布は、水で予洗いしてから、洗剤をいれて、洗います。

すすぎの水が濃いめの青、という時は 乾かしてから、また、水で洗う、を繰り返します。

お湯は使いません。

お湯で洗うと、大事な色が、余分に流れてしまうので。

わたしのお客様で、藍染めの木綿をたくさん持っている人がいて、一年に一回は、しまっていても お洗濯するそうです。

時間がたつと、雑味が出てくるので、洗うと、色目がスッキリします。

19:27 浪漫屋 藍染めの洋服は、クリーニングに出しません。大事にしているようですが、布にはあまり良くない、藍染めの木綿は、水洗いが、よく合います。

必ず、大きめのネットに入れて、洗濯機で、おしゃれ着コースで洗います。

たっぷりめの水で洗います。

手紡ぎ手織りの布は、ひっぱりとか、回転に弱い、脱水は、ほんのちょっと、2秒か3秒、

すぐ、止めて、干します。肩が伸びないように、ハンガーにはかけず、セーター干すように、干してください。

[1] [2] 

古布と布の手仕事 浪漫屋