絣の話
絣の話 ① 織っているか、染めているか、それが問題
この白い浴衣は、絣ではありません。
柄は、絣ですが、織ってない。
型染めですね。
右側に裏側が写っているので、
よく見てください。
織っているなら、裏も同じはず。
私もびっくり、こんな布はあまり見たことない。一見、白絣に見える。
こういう時は、はじっこをほどいて、縦糸、横糸を、よく見てください。
織っているか、染めているか、それが問題。ロミオ風。
染め織りの話、していきたいと思います。
絣の話 ② 絣って、木綿ですか?
もう、昔のことですが、
絣って、木綿ですか?って、聞かれたことある。
その時はなんて答えていいかわからなかったのですが、
今は、大島も絣だし、麻の絣もあります。って答えてる。
木綿は、素材で、
絣は、織り方のこと、だから、
べつのことなんですね。
コレでは、不十分な気がして、申し訳ない、、で、いつか、わかりやすく、書いてみようとおもっていました。
ご存知の方は、分かりきったことでも、誤解している人はいるみたい。
布のことを知る上で、大事なのは、先に染めるか、後で染めるか、染めた糸で織るか、織った布を染めるか、先染め後染め、どつち?なのか、を知ること。
コレが、染織ということで。
どっちが大変か?それぞれにいろいろ、あると思いますが、、私は、先染めの方が、大変だと思う、糸を、柄に合わせて染め分けて、それを柄に合わせて織り込んでいくわけだから、、
絣は、染めた糸で織る、先染めです。
絣の話 ③ 絣のタイプは、みっつ
絣のタイプは、みっつ。
➊タテヨコ絣
❷ヨコソ(横双) 当て字かもしれない
❸タテ絣
タテヨコ絣は、縦糸と横糸、両方、
染め分けして、柄を織り込んで、
いく織り方。
大島絣は、糸が細いので、細かい柄だと、1日織っても、10センチも織れないそうです。
カスリは、かすれている、という
言葉が語源。
タテ糸と横糸が、微妙にズレていると、かすれて見える。
でも、技術があると、かすれてもいない、日本の織りは、素晴らしいです。
ヨコソは、タテ糸は、染め分けてない、一色だけ。横糸を染め分けて、織っていく織り方で、タテヨコ絣に比べ、格段に、簡便。機械織りもあります。
タテ糸が、染め分けてないので、柄は、はっきりしていません。
タテ絣は、タテ糸を染め分けてて、ヨコ糸は、一色。
機械織りです。代表的なのが、
明仙の着物。
昭和のはじめ、明仙が爆発的に売れて、生産されました。手織りしている場合でなくて、工夫されました。
タテ糸を型染めします。色の数だけ、型があって、10メートル強の長さの糸を綺麗に置いて、型染めしていきます。
大量生産向き。
ヨコ糸の色を変えると、同じタテ糸
でも、違う感じの織物になります。
タテ糸しか、染め分けてないので、色柄は、ぼやけています。
染織りのことを知りたかったら、
ほどいてみてください。
織物は タテ糸とヨコ糸から、成り立っているので、それを知ることから、始めます。
柄の細かさ複雑さ、糸の太さ、色の多さを見ます。
絣の話 ④ ヨコソの動画
ヨコソの動画を見つけたので、
ご紹介。
藍染めも見れます。
インスタの #藍染め#天野紺屋
鳥取の広瀬絣は、もう、ここだけかもしれない。と、聞きました。
絣の話 ⑤ 絣に使う糸の染め方
① くくる。
②板締めする。
③型染めする。
④手で染める。
コレで、全部だろうか?
わかる人、教えてください。
絣の話 ⑤ のもとい 絣に使う糸の染め方
やっぱり、大事な染め分けを忘れていました。
くくる(カスリ全般)
②板締め(村山大島)
③型染め(明仙など)
④織る (大島絣)
⑤手で染める
多分、コレで、いいと思います。
こんな、文章、読んでくれる人いるんだろうか、と思いながら、かいております。
染織りの世界は深い。
間違いもあると思うので、指摘してください。
絣の話 ⑤-① くくる
印のついた木の棒を定規にして、
糸に印をつけて、付けたところを
綿糸でくくって、染液に入れて
染める。
くくったところが染まらないで、
白く残る。下の写真のような
まだらの糸になる。
結城紬の最高峰だと 10万個ですって! 時間かかる。
ちょっと、調子悪いと、ズレたり、
甘くなる。繊細な仕事です。
絣の話 ⑤-② 板締め
関東の武蔵村山市で織られている
村山大島の、絣糸は、板締めで
染められています。
本場の沖縄とは、だいぶん違う。
絣板という板には、細い溝が彫られていて、何枚も糸をはさんでから、
締めて、染液に入れて、染めます。
あまり細かい染めはできません。
種類も少なくなります。
裏表に、溝があります。
浪漫屋にありますので、見てください。
本場の大島は、絣糸を、染めるのがとてもたいへんで、一反織るのが
精一杯。
一方、村山大島は、絣糸を簡単に染めているので、一匹(いっぴき)でも染められる、それで アンサンブルが作れます。
それで、アンサンブルと聞けば、
見なくても、村山大島だと、分かります。
※一匹---2反分(20メートル)くらい。
絣の話 ⑤-③ 型染めして 縦絣の糸を染める
主に銘仙の着物、もちろん絹。
たまに、銘仙のように見えて、縦横かすりの着物がありますが、それは銘仙でなくて、十日町あたりの紬と思います。
写真とか、動画をさがしたんですが、まだ見つからないので、説明が難しい、ので、わかりづらいとおもいますが、そのうち、見つかったらご案内します。
一反分の糸を 綺麗に 板の上に並べます。
型紙を色の数、用意、顔料を塗っていきます。黄色、赤、緑、ピンク、といった具合。
色柄を全部、塗り終わったら、乾かして、糸を織り機にかけて、織ります。
横糸は一色、機械なので、速いです。横糸の色を替えると、雰囲気が違う織物が織れます。
大量生産向き。
ほどいてみると、わかりやすいです。
縦だけが、絣糸なので、ぼやけてますが、顔料がハッキリ、の色なので、ちょうどいい感じになります。柄は、飛んでたり、色数が多かったり、楽しい織物ですね。
絣の話 ⑤-④織り込んで、絣糸を染める
本場 大島絣
大島の糸は細いし、柄が細かいので、絣糸は、簡単ではない、ので、まず、木綿の縦糸をたてて、束の絹糸を織ります。縦糸の当たってるところが、防染になります。
織り終わったら、シャリンバイで染めて、泥田でばいせん、泥染めします。コレを10回以上繰り返して、色差しすることもあり、その後、
ほどいて、藍染めする時はこの時、藍に入れます。
これで絣糸、完成。
縦横絣のときは、縦糸 横糸、両方、染め分けます。
これが、織った時、ピッタリ、柄が合う、っていうから、すごい、
高温多湿の気候風土のなかで、育まれた手仕事です。
昔、織り場は土間で、水を撒くと、湿気で、サウナのようになって、
そんな所で、織っていたそうです
そうしないと、糸が切れるから。
重労働でしたね。
究極の絣です。
絣の話 ⑤-⑤ 手で染める
やり方は色々あるとおもいますが、一番簡単と思われる方法を考えてみました。
木枠に糸をぐるぐる巻きつけて、硬めのスポンジをカットして、それで布用インクを塗る。
縦横絣に、トライしてください。
整経台のあるひとは、それをおつかいになればいいと思います。
草木染めの糸なら、ブリーチで、
脱色するという手もある。
糸を洗うという お手間がふえますが。
フレームとか、簡単な卓上織り機があれば、すぐ、織れます。
YouTubeで、教えてくれます。
絣の話は、とりあえず、これでおしまい、次は、型染めの話をします。
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